大普賢岳
2010年(平成22年)9月15日


メ モ
2ヶ月ほど前に赤兎山に行って以来、いろいろな都合でしばらく山歩きから遠ざかっていた。特にこの夏の史上最高の猛暑と、その間に風邪を引いたことは、山に登る気力をなくすのに十分なものだった。したがって今年の夏は、もっぱら室内でBShiのワルキューレ実況中継(深夜放送だったので録画しておいた)やグレートサミットを鑑賞するといったインドア生活を余儀なくされたのだった。
しかしさすがの猛暑も9月の中旬には収まる気配を見せ始めた。そろそろ鈍った体に活を入れなければと、休暇を取って近場の大峰山の大普賢岳に行くことにした。大普賢岳にはこれまで2度登っているが、いづれも和佐又から石ノ鼻経由で頂上を越えて奥駈道を七曜岳まで歩き、無双洞まで下って和佐又に戻るルートだった。このルートは後半の無双洞から和佐又まで戻るところがなかなか手強く、今回はあまり気が乗らなかった。かといって大普賢岳の往復のみでは物足りないので、奥駈道を北に行き、阿弥陀ヶ森から柏木道を下って伯母谷覗きで大普賢岳の雄姿を眺めることにした。
2時間ほどの仮眠をとって15日の午前2時10分に家を出発する。木津から奈良、桜井、宇陀経由で国道169号を走って伯母峰トンネルまで来たのは午前4時ごろだった。しかしトンネルは通行止めになっており、その前には何台かの車が止まっていた。ここまでの途中、何ヶ所かの電光掲示板でも注意書きされていたが、通行制限の時間も分からないので何とかなるだろうと思ってここまでやってきたのだった。解除の予定は5時と言うことだったので一瞬柏木道に変更しようかと思ったが、ガードマンが解除時間は早くなる見込みだと言うのでしばらく待つことにした。
待つうちに4時半頃先頭の車が動き出した。時間のロスが短くてほっとする。トンネルを抜けるとすぐに右折して山道を高度を上げながら進んでゆく。和佐又ヒュッテの前の駐車場に着いたのは4時45分。朝食はトンネル前での待機中に済ませていたので、急いで支度をして5時ちょうどに登山口を出発した。

行 程

和佐又
↓↑
笙ノ窟(第62靡)
↓↑
日本岳のコル
↓↑
石ノ鼻
↓↑
大普賢岳
↓↑
小普賢岳(第63靡)
↓↑
脇ノ宿(第64靡)
↓↑
阿弥陀ヶ森(第65靡)
↓↑
伯母谷覗き

距離     :  12.7km
最大標高差:  643m
累積標高  : 1,142m
  




 
天 候

晴れのち曇り
(気象庁 : 日々の天気図) 

山行記録

早朝5時に和佐又ヒュッテを出発。
今日は午前中は何とか天気が持ちそうなので早めの出発とした。
キャンプ場を抜けて登山口に着く。

登山口で黎明の大普賢岳を確認して樹林の中に入って行く。
10分ほどで和佐又のコルに着く。

緩やかな尾根道を辿って行くうちに日の出を迎えて
登山道にも朝日が差し込んでくる。


尾根道の傾斜が増してくると岩窟群は近い。

岩窟群はまず指弾ノ窟から始まる。
(2008年6月撮影)

その先の鉄梯子を登り、大台ヶ原から続く笙ノ窟尾根の巻き道を進んで行くと、
手前の行者還岳から遠くの弥山、八経ヶ岳を経て仏生嶽へと続く奥駈の山々が見えてきた。

弥山と八経ヶ岳。
その手前の山は行者還岳。

さらに巻き道を辿って行くと朝日窟に着く。

朝日窟から少しで笙ノ窟。第62靡です。
(2005年6月撮影)

岩窟群の説明板。(2008年9月撮影)
(画像をクリックすると拡大されます)

その少し先には鷲ノ窟が続く。
(2005年6月撮影)

鷲ノ窟から急登して日本岳のコルにつく。
ここで一休み。

日本岳のコルから先は梯子や桟道が続く、大峰によくある険しい道になる。

日本岳のコルから険しい道を辿ること10分ほどで、午前6時25分に石ノ鼻に着く。
ここは今日のルートの最初の景勝地で、東には日本岳の彼方に大台ヶ原の平坦な山頂部が望まれた。

その左には遥かに台高山脈北部の山々。
中央に大杉国見山、その左に古ヶ丸山、迷岳、池木屋山などが見えています。いずれも未知の山々。

北には遙かに阿弥陀ヶ森(左の丸いピーク)と今日の最終目的地の伯母谷覗き
(阿弥陀ヶ森と右の小ピークとの鞍部付近)が望まれた。

西にはこれから登る険しい山容の大普賢岳と大峰主稜線が立ちはだかっていた。

南には手前の行者還岳から弥山、八経ヶ岳を経て
仏生嶽、孔雀岳へと大峰主稜線が続く。

石ノ鼻で大展望を満喫してから、
さらに険しい道を登って辿り着いたところは小普賢岳ノ肩ともいえるところだった。

鞍部まで急降下したあとは大普賢岳への急登が始まる。
写真のような桟道や梯子、クサリ場などが続く険しい道だった。

しかし、険しい道の中にも息を継げるところもある。
途中で大台ヶ原も見えました。

大普賢岳の手前で奥駈道と合流する。

奥駈道と合流してから5分ほど登ると大普賢岳山頂に着く。午前7時15分。

東の大台ヶ原にはすでに雲がかかっており、この大峰山にも雲が湧き出してくる気配がしてきたので急いで写真を撮る。
まず北には阿弥陀ヶ森と伯母谷覗きが見える。伯母谷覗きまであと1時間以上はかかりそうだ。
手前の濃い緑のピークは主稜線上の小普賢岳だろうか?

北から西にかけては稲村ヶ岳や山上ヶ岳などの大峰北部の山々が連なる。
その後ろには金剛山や葛城山が見える。大阪はさらにその彼方だ。

山上ヶ岳(左)と竜ヶ岳(右)

稲村ヶ岳。右の大日山の尖峰が印象的だ。

金剛山(左)と葛城山(右)

南には延々と続く大峰奥駈の山々。
足下の行者還岳からしばらくは小さな起伏の稜線が南下し、一ノ多和付近で右に折れて弥山、八経ヶ岳に至る。
そのあとは未踏の稜線が仏生嶽、孔雀岳へと続く。
(画像をクリックすると拡大されます)


弥山と八経ヶ岳。

仏生ヶ岳と孔雀岳をズームアップ。
孔雀岳にも雲がかかり始めている。

大普賢岳で大峰の山々を眺めてから伯母谷覗きに向かう。
先ほど登ってきた和佐又方面から道の合流点を過ぎて、10分ほどで第63靡の小普賢岳に着く。
笙ノ窟尾根上のピークと同じ名前だった。

奥駈の樹林の間から阿弥陀ノ森を見る。

あまり変化のない、しかし奥駈道らしい自然のままの道を歩いて脇ノ宿跡に着く。
ここは第64靡で大木の下に多くの碑伝が置かれている。

阿弥陀ヶ森へ行く途中にあった変わった木。
上から見ると幹がくるっと輪を描いている。


緩い登りを続けて午前8時30分に阿弥陀ヶ森に着く。第65靡です。
結界門があり、ここから山上ヶ岳への道は女人禁制となっている

阿弥陀ヶ森は柏木道との分岐点にもなっている。

奥駈道と別れて柏木道を伯母谷覗きに向かう。

大峰山らしい、小さな笹に覆われた尾根道を行く。
道端には距離を示す石の道標が随所に設けられていた。


阿弥陀ノ森から20分ほどで、
午前8時50分に今日の最終目的地である伯母谷覗きに着く。


谷底から1000m近い高度差で聳える大普賢岳の雄姿。
伯母谷覗きに着いたときは大普賢岳の山頂付近は雲に覆われていたが、
幸いにも待つうちに雲は切れて行き、30分ほどで大普賢岳の全貌を望めるようになった。
(画像をクリックすると拡大されます)

阿弥陀ヶ森方面。

遠くは大台ヶ原方面。
恐る恐る谷底を覗いてみると・・・。

残念ながら写真では実際の切り立った険しさは感じられない。

和佐又ヒュッテをズームアップ。
このあとあそこまで戻らなければならないと思うと少々気が重くなります。

伯母谷覗きで約1時間ほど過ごして、
午前9時55分に和佐又ヒュッテ目指して帰途につく。


帰途、和佐又ノコルで小休止し、昼のお弁当を戴く。

登山口から日本岳を振り返る。大小普賢岳は雲の中だった。
和佐又ヒュッテ着は午前12時50分。約8時間の山歩きだった。


コースタイム
往 : 和佐又ヒュッテ(5:00)−日本岳のコル(6:10-6:15)−石ノ鼻(6:25-6:45)−大普賢岳(7:15-7:40)
    −阿弥陀ヶ森(8:30)−伯母谷覗き(8:50)
復 : 伯母谷覗き(9:55)−阿弥陀ヶ森(10:15)−大普賢岳分岐(11:05-11:10)−石ノ鼻(11:40)
    −日本岳のコル(11:45)−和佐又ヒュッテ(12:50)

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