高見山北尾根
2024年(令和6年)1月30日

メ モ
少し遅くなったが、今年の初山行は好天気が予報されている30日に高見山としました。高見山の登山口は国道から近く、アプローチが便利なのでこれまで霧氷を見に何度も行っている。しかし今年の冬は時折厳しい寒波が来るものの基本的には暖冬傾向で、30日も強い冷え込みはなく名物の霧氷は期待できなさそうでした。

それではこの時期に高見山に行く目的は何かと言うと、永年の懸案である北尾根を縦走することでした。この冬は積雪も少なく、予報どおりであれば当日は穏やかな天気で差杉峠経由で周回するには条件がよい。周回するかどうかは最終的には現地の状況により判断することにして30日の午前4時50分に自宅を出発しました。
東吉野村平野の天好園の駐車場に着いたのは午前6時50分。ちょうど店の方が入口のネットを開けて出て来られるところだった。駐車場に他に車は無し。平日のことなので今日は人出も少ないと思われた。支度をして午前7時10分に登山口に向かいました。


行 程

天好園駐車場

高見山登山口

杉谷分岐

高見山

カヤノ山

黒石山

差杉峠

滝  野

天好園駐車場


距離     : 17.9km
最大標高差: 774m
累積標高  :1,055m
    




 
天 候

晴れ

 (日本気象協会tenki.jp : 過去天気)

山行記録

新木津トンネルからの黎明の高見山。
いつ見てもいい姿です。天気も良さそう。

午前6時50分に天好園の駐車場に到着。駐車料金は500円。
平日の早朝のためか他に車は無しでした。

午前7時10分に駐車場を出発して登山口に向かいます。
道路に出て、まだ営業前の”たかすみ温泉”の前をとおって”たんのうら橋”まで来ました。

橋を渡って左に行くと登山口です。
このあたりは全く積雪がありません。

平野川に流れ込む小さな沢に沿ってしばらく歩いた後、次々に現れる階段を登り詰め、
起伏の少なくなった道を歩いて沢に出る。

沢から5分ほどで、午前8時10分に高見杉に到着。
避難小屋も随分傷んできているようです。

高見杉は樹齢は700年とも言われている大木です。
鎌倉時代の末期ごろ。

5分ほど休んでから高見杉を出発。
登山道に沿って林道が敷かれている。開発?の手がこのあたりまで入ってきているのに驚きました。

 
踏み固められた雪が残る道を杉谷分岐に向かって登り続ける。
チェーンスパイクを持ってきているが、面倒なのでそのまま行きます。

 
途中で新しい林道を横切って午前10時に杉谷分岐まで来ました。
熊出没注意の看板が健在です。

杉谷分岐から先は雪道の急登が続く。
午前9時20分に国見岩を通過。

少し登ると揺岩。

急登を続けて笛吹岩の手前まで来ました。
雪が多いときはトンネル状態になところです。

午前9持45分に笛吹岩。

笛吹岩からは南の展望が開けます。
正面にこの高見山から南下する台高山脈北部の山々がよく見える。
しかし少し霞んでおり、この状態では中部山岳方面の眺めは無理かも・・・。

笛吹岩から山頂までの間は、この季節では霧氷が最高潮となるところだが、
今日はやはり予想どおりでした。

しかし天気は良いので眺めはまずまずです。

辛うじて残っていた霧氷。

山頂付近もこの状態です。
まあ少しでもあっただけよかったです。

避難小屋が見えてきましたが、素通りして山頂に向かいます。

午前10時ちょうどに高見山山頂着。
お社にお詣りのあとは山岳展望です。

まず南の方から。
迷岳(左)、白倉山(中央右)、江股ノ頭(右)方面。

上の写真の右に、桧塚と明神岳、国見山方面。
手前に木梶山。

さらに右に大峰山脈。
左に大普賢岳、中央に山上ヶ岳、右に大天井ヶ岳。

 
大普賢岳を望遠で。カッコイイ山です。
左後ろには孔雀岳と仏生嶽。

 
山上ヶ岳。
稜線直下に宿坊が見える。

大峰山脈最北部の大天井ヶ岳と四寸岩山。

 
西の金剛山、葛城山方面。
その手前は竜門岳と音羽三山。

北西方面は曽爾の室生火山群と大洞山。
木の枝で見にくいが、手前にこれから向かう北尾根が見える。

東には三峰山が大きく見えます。
中部山岳方面が霞のため見えなかった以外はまずまずの展望が得られてよかったです。
天気も良いし北尾根の雪の量もあまりないようなので予定どおり縦走開始です。
午前10時30分、三峰山方面へ下って行きます。

何日か前の踏み跡を辿って雪の尾根道を進んで行く。
登って来た道よりもこちらの方が少し雪の量が多いみたいです。

いきなり痩せ尾根の小さなピークが続くので慎重に行きます。
二つ目のピークから高見山山頂を振り返る。

同じピークから北尾根を眺める。
右端のカヤノ山から天狗山、船峯山、黒石山へと続く。
(画像をクリックすると拡大されます)

雪の尾根道を進んで行く。
積雪量は大したことはなく、気温も高めで凍り付いていないが、
念のため山頂でチェーンスパイクをつけておいた。

快適に進んで行きます。

やがて前方に立札が見えてきた。
近づくと”注意”と書かれている。どうやら崩壊地のようです。

近づくと右側が見事にスパっと崩れ落ちている。
稜線まであと僅かでした。


正面を見ると三峰山へと続く山並みが・・・。
こういう景色を見ると行ってみたくなるが、なかなか難しそう。

振り返れば崩壊地の左遠くに台高北部の山々。

 
先に進みます。
崩壊地の上の1160mほどのピークを越えて行く。

 
ピークから緩く下って行く。

カヤノ山はもうすぐ。

正面に迷岳が見えます。右端は桧塚。遠くになったような気がします。
台高方面の展望はここまで。

午前11時10分にカヤノ山。
三峰山方面への分岐点です。北尾根は左へ。

振り返ると遠くになった高見山が見えました。

天狗山へ向かう道で。
霧氷はないが、このような風情も捨てたものではない。

天狗山に向かいます。

途中で東側が開けました。
遠くに三峰山と学能堂山。

少し行くと大洞山や尼ヶ岳も見えてきました。
これらの山々はここで見納めです。

鞍部から天狗山に登って行きます。
北尾根は基本的に下りですが、途中にあるピークではそれなりの登りはあります。

午前11時40分に天狗山に着く。

木々に囲まれて展望はありませんでした。
次は船峯山です。

 
下る途中で高見山が見えました。

 
鞍部に向かって下って行きます。
滑らないように慎重に。

 
木々の間に大岩を抱いたピークが見えました。
あれが大天狗岩でしょう。

大天狗岩直下まで来ました。
登るのは無理なので左に巻いて行きます。

踏み跡を辿って巻いて行きます。

無事巻き終わって尾根に合流。
船峯山に向かいます。

船峯山への登り返しは20mほどですが、
それでも疲れが出てきた体には少しきついです。

 
何とか山頂です。

 
午前12時20分に船峯山。展望はなしです。
雪も少なくなってきたのでここでチェーンスパイクをはずし、ついでに少し休憩します。

船峯山で10分ほど休んでから次のピークの黒石山に向かう。
黒石山との間に何ヶ所か展望が開けるところがあるようなので期待して行きます。

船峯山から10分ほど下って鞍部まで来ると左側が開けた伐採地がありました。

伐採地からの眺め。
左手に音羽三山と竜門岳、その後ろに金剛山が見えます。

少し行くと大峰方面の眺め。
四寸岩山や大天井ヶ岳、山上ヶ岳が見えます。
大天井ヶ岳の右前には白屋岳。

 
さらに進んで行くとススキに覆われた斜面が見えてきました。
その上の稜線上からはきっと展望が開けるに違いありません。

 
鞍部から登って行きます。
30mほどの登りですがしんどいです。

期待どおりの展望が開けてきました。
音羽山、竜門岳、金剛山から大峰山方面。

 
大峰山の左側に高見山が聳えています。

高見山から延々と続く北尾根。遥々とここまでやってきました。
カヤノ山や船峯山が見えています。天狗山は船峯山に隠れて見えていないようです。
(画像をクリックすると拡大されます)

高見山を望遠で。お社の避雷針が見えます。
山頂を下るとすぐに二つのピークがあるのがよく分かる。
大展望を満喫しながら20分ほど休憩しました。

 
展望地から黒石山に向かう。
標高差60mほどの登り。

 
午後1時35分に黒石山。標高は915m。
ちなみに、船峯山を下った標高830mほどの鞍部から先は、黒石山を経てP893まで
標高900mほどのピークが幾つも続き、小刻みな登高を繰り返しますのでそれなりに疲れます。

 
なぜか山名板の数が多いです。

 
黒石山から下って行きます。

次のピークはPOLO山と書かれていました。
ここで右に折れて下って行きます。

鞍部まで下って来ると立て看板があり、
ポロ・・・・会社と書かれていました。POLOとはこのことだったようです。

 
次のピークは高山。午後1時55分着。
後ろの木が特徴的で女神カーリーを連想します。

 
高山から下って行きます。
このあたりにも林道が敷かれている。

 
高山から下る途中で尾根を間違えかけたが、
すぐに復帰して獣除けネットに沿って進んで行く。

獣除けネットに沿って進み、一登りすると最後のピークP893です。

P893の山頂です。
特に何もないのでそのまま下ります。

P893からは差杉峠まで急降下ですが、
標高差は80mほどです。

差杉峠が見えてきました。

午後2時25分に差杉峠に下り立ちました。
何か、歴史のある峠のようです。

役行者と思われる石像が祀られていました。
大峯奥駈道の金剛多和にあるものと似ているような感じ。

謎の石柱もありました。
何か刻まれていたのでしょうか。ひっそりと立っています。

峠から植林の中を下って行きます。

途中から小さな沢に沿って行きます。

午後2時55分に小さな洗い越しを通過。
ここから車道になりますが少し荒れています。

黙々と歩いて行きます。

午後3時25分に滝野の集落に着きました。
ここまで来るとホッと一息ですが、ここから天好園までまだ4km歩かねばなりません。

車道を歩いていると、ふと立て看板が目につきました。
見てみるとポロ・・・でした。この道を行くとPOLO山まで行けるのかな。

45分ほど歩いて天好園に近づいたところで高見山が見えました。
グルっと周回したことを実感です。

午後4持15分に天好園の駐車場に戻ってきました。
無事、計画どおりに歩いて戻って来ることが出来たことに感謝です。
今回歩いた限りでは、このルートは特別危険なところもなくルートも分かりやすい。
また展望も良く、いい山歩きが出来ました。
午後4時半過ぎに駐車場を出発、順調に走って帰宅は午後6時半ごろでした。

帰途、新木津トンネルから高見山を眺める。
本当にいい姿の山です。


コースタイム
  天好園駐車場(7:10)-高見山登山口(7:20)-高見杉(8:10-8:15)-杉谷分岐(9:00)-高見山(10:00-10:30)
-カヤノ山(11:10)-天狗山 (11:40)-船峯山(12:20-12:30)-大展望地(13:05-13:25)-黒石山(13:35)
-高山(13:55)-差杉峠(14:25)-滝野(15:25)-天好園駐車場(16:15)


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